国民の生活車として、無くてはならない存在になったのが、軽自動車ですよね。昔は、それこそ地方の高齢者が運転する車で、若い人は見向きもしなかったのですが、今では若い人がこぞって購入しますし、快適装備や広々とした室内空間だけではなく、話題のサポカーとして安全装備も大変充実しています。
では、2018年の軽自動車界はどのような動きになるのか、個人的な大胆予測をしてみたいと思います。
スズキとダイハツの燃費競争終焉で今後はどうなる?
軽自動車が大好きで、休日になると一日中YouTubeでワゴンRやムーブの動画を鑑賞するのが趣味の私としては、昨年はかなりショックな出来事がありました。それまで、スズキのアルトとダイハツのミライースは、お互いにライバル意識があって、新モデル投入時には少しでも燃費を上回るのが恒例行事でした。
それだけに、昨年ミラーイースが新発売された際、軽マニアはその燃費に注目したのですが、何とその結果は35.2キロだったのです。これは、普通車と比較すると確かに素晴らしい驚異的な数値ですが、ライバルとなるアルトは、37.0キロです。一体どうしたんだ、ダイハツは? と本当に心配になりました。
・ダイハツ ミライースの燃費…35.2キロ(JC08モード:LとBグレードの2WD)
・スズキ アルトの燃費…37.0キロ(JC08モード:X、S、Lグレードの2WD)
前モデルまでは、燃費は極僅差だったので、今回の1.8キロ差はかなりの衝撃でした。何よりも、年式が新しいミライースの方が燃費が悪いのは、これまでの軽自動車の何があっても、燃費だけは向上させる流れと逆行しただけでなく、燃費競争からの脱退と白旗宣言に見えてならないからです。
軽自動車もサポカー競争にシフトするのか?
昨年のもう一つの悪い意味での衝撃としては、高齢者運転による自動車事故と、高速道路での暴走運転で夫婦が亡くなられた事件でしょう。前者については、個人的には高齢者以外の交通事故も多いと思うのですが、ドライブレコーダーやスマホカメラなどが普及した事で映像として残っているので、イメージとして植え付けられている面もあります。第一、平日昼間などで運転しているのは営業マンか高齢者、それと主婦が圧倒的に多いので、事故発生数や割合が多くなるのも当然です。後者については、あまりにも非道すぎますが、車を運転すると人格が変わってしまう人が多いのも事実です。
この二つは、軽自動車だけでなく自動車全般になりますが、サポカーなど安全運転を支援する装置の普及に拍車をかける流れとなったのは、間違いありません。先ほどのミライースとアルトの燃費競争ではないですが、燃費開発に大金をつぎ込むなら、今後は安全装置の開発に力を入れるのが得策だと感じたのでしょう。
軽自動車の流れを予想するなら、欧米の最新モデルがどうなっているか分析すると、今後の展望がわかってきます。現在安全技術で世界一の自動車メーカーと言えば、それはスウェーデンのボルボでしょう。歴史ある名門だけあり、日本でも人気がありますよね。ボルボが打ち出しているテーマは、正に今の日本社会にピッタリではないでしょうか?
ボルボのテーマ:「2020年まで事故死傷者ゼロな車」
これは、確実に日本メーカーは模範するべきですし、しなければ今後生き残る事はできないですね。多分、トヨタが先陣を切るので、次に軽自動車メーカーのスズキとダイハツのどちらが続くのかが肝となります。もし、遅れるようでしたら、日本の安全技術もそこまでとなります。
軽自動車の今後のトレンドは”安全”で決定か?
現在最も売れているのが、ホンダのN-BOXです。これは、普通車を合わせても一位なので、プリウスよりも売れている事になります。N-BOXは軽のボディサイズを極限まで使い切っただけでなく、安全装備や快適装備でも群を抜いていますよね。一方、車体価格も高額で、燃費面は27キロなので、アルトよりも10キロも低いのです。車体金額も高く燃費も悪いのに、これだけ売れている事は、軽自動車を購入する声として、
安全装備(価格)>>>燃費
という結果が如実に表れたと思います。
もちろん、アルトよりも室内空間が広く、運転しやすく、女性ウケもしている、家族持ちにも好評などもあるでしょう。しかし、シビアな目線でも車体価格と燃費で大幅に優っている車が、ここまでN-BOXに太刀打ちできないのは驚きです。
それでも、今後も燃費や価格よりも安全装備が重視されていくかは、まだ不確定といえます。否、確かに安全技術の導入は最優先事項ですが、地方の足としての軽自動車にも、そこまでの導入する価値があるのか? 交通事故を減らすのは当たり前ですが、その為に、軽自動車の価格が跳ね上げる意味があるのかは議論が分かれるところでしょう。
2018年の軽自動車はどうなる?
では、2018年やそれ以降の軽自動車の流れを予測してみたいと思います。まず最近の流れとしては、ホンダ N-BOXが大ヒット、似たようなデザインのスズキ スペーシアが発売、多分、続いてダイハツのタントが登場するでしょう。このタントが、燃費競争から安全面に一層力を入れたら、ほぼ軽のトレンドは”安全”でほぼ決まりでしょう。
続いて、トヨタのクラウンなど高級セダン、スバルの最新安全技術、日産の自動運転が注目となります。クラウンは今年新モデルが登場するはずなので、クラウンまでも燃費が現行程度で安全重視、さらにスバルが自動ブレーキなどの安全運転技術に力を入れ、日産も同様に自動運転で躍進すれば、その数年後にはこれらの成果が軽自動車に反映されるのが、今までの動きです。
燃費競争はプリウスやアルトなど一部の車に限定され、安全技術を競いあうのが、今後の主流となるのか、その分かれ道に自動車業界が突入したのです。
最後に一言
補足として、ボルボはスウェーデンの会社ですが、今は中国資本が参入し、再び勢いづいています。と言う事は、安全技術を競い合うのは中国の巨大資本であり、カメラやセンサーなど諸々は中国のハイテク会社と性能や価格で日本の会社は勝てるのでしょうか? もしかしたら、安全技術や装備が進むことは、国内自動車産業の自らの首を絞める事になると思うのは、考えすぎでしょうか? 交通事故を減らすあまり、トヨタや日産、そしてダイハツやスズキなど軽自動車までも、落日するのが安全技術の先にある未来かも知れません。
スポンサーリンク