自動運転技術の日本メーカー各社・海外の比較 2018年

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昨今の新型モデル車の発売では、燃費向上やハイブリッド、さらに自動ブレーキなどは当たり前となりユーザーも驚きはありません。

その先の新技術がどれぐらい導入されているのか? 注目するのはその一点となります。

そんな中でも、国内海外の各自動車メーカーが力を入れているのが、”自動運転技術”となります。欧米メーカーなどは、一般道での自動運転車の走行が既に始まっていて、日本メーカー遅れているのが現状です。

一般認識では出遅れている日本メーカーは、自動運転技術の完成度や現行車のレベルはどれぐらいなのか?

自動車大国である日本の大手各社の比較をさせていただきます。

日本の自動運転は何年頃に登場するのか?

現状では、日本メーカーは残念ながら自動運転技術で、欧米よりも何段階も遅れています。

それは技術的な問題もありますが、政府レベルの対応で遅れているのも要因となっています。

各自動車会社が目指す”自動運転”とは、「完全自動運転」を指していて、これには自動ブレーキやクルーズコントロールなどは初期段階となります。

要するに雨が降ろうが夜だろうと、狭い一方通行や白線が消えている道路、幼児などが急飛び出しをする等、どんな状況下でも運転手が一切ハンドルやアクセルを操作せずに運転する事となります。

これは、自動運転定義では最上位のレベル5となり、欧米など自動運転車が走る国でも、時々交通事故が起こっているので、完全化はそれほど困難な道となっています。

日本政府は2025年までを当面の目標としていますが、自動運転中の交通事故時の補償などインフラ的な課題がいくつもあり、これらをどうするかも自動運転の技術以上に難しい問題となっています。

日本メーカー各社の自動運転技術を比較

各社を比較する際、目安となるのが先ほど触れた自動運転のレベル定義となります。大雑把に解説すると、以下のようになります。

レベル1…ハンドル、またはアクセルやブレーキをシステムがサポート

レベル2…ハンドル、アクセルやブレーキの両方をシステムがサポート

レベル3…限定条件付きでシステムが全サポート

レベル4…通常状態ならシステムが全サポート

レベル5…条件設定なくシステムが全サポート

自動ブレーキやクルーズコントロールはレベル1になり、新車で発売される国産車の多くがこの段階に入っています。

レベル2が導入されているのは、国産の一部高級車限定され、レベル3は海外の高級車となるのが、現在の状況となります。

日本ではレベル4は2021年、最終段階のレベル5は国内で2025年を目指しているようです。

レクサスの状況

レクサスは新型セダン「ES」の全グレードに、先進運転支援システム「ADAS」を搭載すると発表しました。

ミリ波レーダー等を組み合わせた「レクサスセーフティシステム+2.0」は、夜間でも歩行者検出ができます。また、車線逸脱機能を強化し、レーダークルーズコントロール使用時のステアリング操作支援も可能としました。

最高級車「LS」ではレベル2が実現され、その乗り心地や快適性も含めて、国内車では現状の最高レベルと言っても過言ではありません。

トヨタの状況

東京五輪に向けてレベル4搭載車の実験を開始すると報道され、注目を集めたのがトヨタです。

現在は、「サポトヨ」を合言葉にして、自動運転技術のアピールに力を注いでいます。その中身は、

・自動ブレーキ

・ハンドルサポート

・車線逸脱アラート

・レーダークルーズコントロール

・自動ハイビーム

・標識読み取り

・先行車発進アラーム

これらがトヨタの代表的な車にはほぼ、導入されています。

その一方で、自動運転技術の遅れが指摘されているのも事実です。国内メーカーと比較するとリードしていますが、海外勢の特にドイツメーカーと比較すると劣っているのが目立ちます。

トヨタが現行車で搭載する技術は、国内他メーカーも導入しているものばかりで、目新しさに欠けるからです。

そうなると、より細かな精度や確実性の違いがどれぐらいあるのかとなりますが、それは条件下によっても違いがあるので、比較が一概にできないところです。

日産の状況

セレナが高速道路を走るCMで、自動運転を見事にアピールするのに成功したのが日産です。

実は単一車線のみなど条件付きなのですが、それでもミニバンとしては世界初! 渋滞時も対応などは、日本のファミリー層を見事に刺激して販売台数でも大成功となりました。

最近では、ドライバーの運転パターンをAIに学習させる開発をすると発表し、他社とは違った角度から自動運転を取り組んでいます。

その一方で、トヨタと比較すると現行車の安全運転サポートカーの車種が少ないのが、大きなネックとなります。

ミニバンだとセレナだけになり、トヨタはアルファードからシエンタとエンジン大きさも豊富で、より選択肢が広がります。

ホンダの状況

国内で最も売れている車がN-BOXなので、ここに搭載される「ホンダセンシング」で安全運転支援システムを実感するのが、日本人に一番多いパターンではないでしょうか?

その中身は、先ほど紹介したトヨタのサポトヨと大差がなく、また総合力ではスバルのアイサイトに分があるのが、自動車業界やユーザーの共通認識となります。

しかし、軽自動車で初となるN-BOX全グレードに、ホンダセンシングを標準搭載をしたのは、他社では無理な事を決断する行動力は見事なものです。現在注目されているN-VANでも、同じく全グレードに標準装備されています。

また、軽自動車の中では、ホンダセンシングが巷の評価では最も高く、安全装備の充実度では群を抜いています。

マツダの状況

国内メーカーで最も個性的なのが、実はマツダなのかも知れません。

ハイブリッドや電気自動車開発に他社が鎬を削る中、ガソリンエンジンやディーゼルに拘り、また以前は「レベル5の自動運転は不必要」と、北米マツダのトップが語った事も話題となりました。

そうは言っても、マツダが安全運転に努力をしていない訳ではなく、新型車にはトヨタや日産と同等かそれ以上の装備が備わっています。最近発売されたCX-8は、危険を認知してヒヤリを減らす技術「予防安全性能」では最高ランクを獲得しています。

その一方、他社や異業種と協力して、積極的に自動運転や安全技術を開発している様子はなく、全て独自で研究していると伺えます。

そうなると、画期的な発明では後れを取るのが現状で、当面はこれが続くと思われます。

出典:http://www.mazda.co.jp/cars/cx-8/

スバルの状況

自動運転のダークホースとなり得るのが、何をかくそうスバルです。

スバルと自動運転や安全技術の歴史は古く、現在のような当たり前になる前から研究開発がされてきました。

一部では、スバルの運転支援システム「アイサイト」は、ドイツメーカーよりも優秀で安心できると称えられている程です。

最近の状況としては、定評あるアイサイト(ver3.5)がさらに進化して、歩行者検知と白線認識がさらに向上しました。

出典:https://www.subaru.jp/safety

国内現行車における安全技術の比較検証するサイトや車雑誌でも、軒並みアイサイト搭載車を最高評価にするのが一般的です。個人的にも同意見ですが、安全運転がそうでも必ずしも自動運転に結びつくとは言い難いです。

裏付けるように、最近スバルが発表した将来計画が、物足りない中身だと不評されています。2025年までにレベル5を達成するのが、当面の各社の課題なのに対し、スバルはレベル2を2024年までとかなりトーンダウンしています。良く言えば現実路線で堅実とも取れますが、国内メーカーで長年この分野のトップを走ってきたスバルに対し、意気消沈したユーザーも多いようです。

ドイツメーカー各社の状況

最後に海外勢として、ドイツメーカーの状況となります。

メルセデスベンツが最新技術を導入すると、国内メーカーが追随するのがこれまでの歴史なので、全メーカーを網羅するのが無理でも、ベンツやアウディ(フォルクスワーゲン)にBMWは押さえておくべきです。

自動運転技術でリードしてきたのがアウディで、既にドイツ国内を走るA8には現状では最高ランクのレベル3が搭載されています。日本ではインフラ的な問題から、グレードを下げたレベル2の車のみですが、今年中に日本デビューするとされています。

メルセデスベンツは、2020年発売モデルでレベル3になるとされ、ボイスコントロールがより進化されたと注目されています。

BMWはコンセプトカーレベルなら、レベル5を既にクリアしています。

中国企業の莫大なスポンサー資金を背景に、自動運転技術で頭一つ飛び抜けた存在に君臨するのがBMWなのです。

関連記事:車の自動運転技術はどうなる?2018年の日本の現状・海外との比較・今後の予想

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