10月1日から消費税が引き上げられ、これまでの8%から10%に増税されます。
連日、食料品などが下げられる軽減税率、キャッシュレス決済でポイント還元される方法などが報道されていますが、我々のような車好きの愛好家にとっては、もう一つ気になる話題がありますよね。
それが、10月1日から自動車税の実質的な値下げ(減税)です。
消費増税による家計への配慮、対抗手段であるのは間違いありませんが、意外にも一般のドライバーだけでなく、車好きを自称していても知らない方が多いのです。
そこで、今回は10月1日から自動車税が一斉に引き下げられる減税されるのを踏まえ、どの税金がどのぐらい下がり、車タイプやエンジン排気量によってどれぐらいお得になるのか調べてみました。
車を愛する皆さんの参考になれば幸いです。
車に関する税金にはどのようなものがあるか?
新しく車を購入する場合、それが新車にしろ中古でも、とにかく複雑にいくつもの税金が発生しますよね。
面倒だから、業者の言いなりで、結局総額はいくらなの? と訊ねてそれで終わりという人が多いのではありませんか?
また、車購入だけで終わらず、車検やガソリン代にも税金が絡んできます。
それでは、自動車に関係する税金をまとめてみました。
最初に購入時に、車体とは別に支払う税金です。一般的な総額とは以下の税金を込めた価格です。
①自動車税…排気量毎に違い軽なら年間1万800円、クラウンクラスは4~5万。
②自動車重量税…重さによって違い、新車登録から13年経過で税率アップ。
③自動車取得税…購入時にかかる税金。※今回の税制改革で廃止される。
④消費税…今年10月1日から8%→10%に変更される。
次に、定期的に支払う税金です。
①自動車重量税…軽なら2年間で6600円。購入時だけでなく、車検毎に支払う。
②自動車税…本来は車検とは関係なく、毎年5月に納税通知書が届く。自動車税未払いだと、車検が受けられない。
最後は、ガソリン購入などの燃料税の内訳です。
①揮発油税…ガソリン車に対して、本則税率と暫定税率の二種類。
②軽油引取税…ディーゼル車に対して。
③石油税…ガソリン1リットルあたり約2.8円。
④消費税…10月から10%に引き上げられる。
※ガソリン車なら②軽油引取税は含まれない。
この様に、車を購入し維持するには、いくつもの税金を支払わなければなりません。軽自動車なら税金が安くなる場合が多いので、販売好調となるのも納得ですよね。
最後に、これらの税金を分かりやすくまとめるなら、
購入時発生税金…自動車税、自動車重量税、自動車取得税、消費税。
車維持の為の税金…自動車税、自動車重量税、燃料税、消費税。
※自動車取得税は10月から廃止される。
要するに、自動車取得税以外は、ガソリンならその都度、残りの税金類は結果的に毎年支払う様になっています。”税金”と名が付くものは、1年に一度は掛かってしまうシステムなのです。
具体的に10月1日から何が変わるのか?
今回、大きく分類すると、以下の3種類の税金が下げられます。
①自動車税
②自動車取得税
③環境性能割
これらに追加して、エコカー減税とグリーン化特例の期間延長が決定しました。
これまで、自動車税が引き下げられた記憶がないので、今回はかなり大きな決断であり、政府が本腰を入れて車の税制改革に取り組んでいると理解できます。しかし、いくつかの注意点もあるので、その点の解説となります。
①自動車税について
今回の自動車税関連の減税で一番の目玉となるのが、排気量毎によって税金が違う「自動車税」の減税です。減税額が大きくなり、今回の目玉となりますが、いくつかの注意点をまずは知っておきましょう。
・軽自動車は新車中古に限らず既に自動車税が安いので適用されない。
・普通車を2019年10月1日以降、新車購入(新規登録)した場合のみ減税が適用。
・普通車を中古購入した場合、減税が適用されない。
よって、普通車を新車購入した場合のみ、自動車税が減税されます。具体的な減税額は、以下の通りです。
・1,000cc以下…29,500円→25,000円(4,500円の減税)。
・1,000cc超1,500cc以下…34,500円→30,500円(4,000円の減税)。
・1,500cc超2,000cc以下…39,500円→36,000円(3,500円の減税)。
・2,000cc超2,500cc以下…45,000円→43,500円(1,500円の減税)。
・2,500cc超3,000cc以下…51,000円→ 50,000円(1,000円の減税)。~以下略~
1,000cc以下のクラスが最もお得となり、排気量は大きくなるほど減税効果は弱くなります。これは、大型排気量を購入出来る人は裕福という考えなのでしょう。
②自動車取得税について
これまで新車中古車を問わず、購入時にかかってきた自動車取得税(普通車…3%、軽自動車など…2%)が10月1日から廃止されます。自動車取得税が廃止され、代わりに導入されるのが燃費性能が良い車がお得となる「環境性能割」です。
③環境性能割について
同じく10月1日から、燃費が良い車は環境性能が優れているとして「環境性能割」が一年間限定で導入されます。通常の基本税率が「非課税、1%、2%、3%」と段階的になっているものを、それぞれ1%の減税となります。
少し分かり難いですが、要するに電気自動車やプラグインハイブリッド、クリーンディーゼルなど最新の車は非課税に対し、それ以前の排出ガス性能や燃費基準の車に対しては、3%→2%、2%→1%のように、税率を1%軽減するものです。
どんな車を選ぶのがお得?
今回の自動車減税だけを踏まえて、よりお得な車を探すなら以下の条件となります。
・普通車の新車を購入。
・エンジン排気量は2,000cc以下までがお得度高い。
・環境性能割を考慮すると、電気自動車やプラグインハイブリッドなどが必須
以上の条件を踏まえると、コンパクトカーのハイブリッドなどを新車購入すると、今回の自動車減税の恩恵をより受けるようになります。一応、ハイブリッドカー以外が一年間限定でメリットあるのが環境性能割ですが、課税されてから1%減税を踏まえると、最初から非課税を選ぶ方が賢いです。
・トヨタ…アクア、プリウスなど
・日産…ノート、セレナなど
・ホンダ…フィットハイブリッドなど
・スズキ…スイフト、ソリオなど
・スバル…フォレスターなど
今回の減税は、複雑な面が少しあります。それは、期間限定減税が含まれている点です。自動車取得税は廃止されるが、新導入される環境性能割は一年間の期間限定です。
以降は、名称は変わっていますが、実質的には自動車取得税と変わりなく、燃費性能が悪い車には不利となります。
実際に人気の車を購入した場合の税金額計算!
それでは、トヨタ・アクア(ハイブリッド 1500cc FF)を新車購入した場合における、2019年10月1日以前と以降の税金についての計算となります。
従来支払うべき購入時税金…トヨタ アクアの場合
・自動車税…17,200円(本来34,500円がエコカー減税によって)
・自動車取得税…0円(本来47,100円だがエコカー減税によって)
・自動車重量税…0円(本来22,500円がエコカー減税によって)
・消費税…約15万(車両本体価格は約188万の8%)
・税金合計…約16.7万円
自動車減税実施後の購入時税金…トヨタ アクアの場合
・自動車税…15,200円(34,500円が新税制で30,500円になり、エコカー減税で50%)
・環境性能割(自動車取得税廃止)…0円(取得価格の0~3%になる)
・自動車重量税…0円(同様に22,500円がエコカー減税によって)
・消費税…約19万(車両本体価格は約188万の10%)
・税金合計…約20.5万円
新車購入時は、アクアはハイブリッドで燃費が良いので、エコカー減税が適用されその差は僅か約4万円程度に留まります。
これが他の車の場合は、また税金額が変わってきます。
続いて、エコカー減税が適用されない車として、スバルのWRX STI(ガソリンエンジン 2000cc)での、支払い計算となります。
従来支払うべき購入時税金…スバルのWRX STIの場合
・自動車税…39,500円(エコカー減税適用外)
・自動車取得税…97,400円(エコカー減税適用外)
・自動車重量税…36,900円(エコカー減税適用外)
・消費税…約29万(車両本体価格は約361万の8%)
・税金合計…約46.3万
自動車減税実施後の購入時税金…スバルのWRX STIの場合
・自動車税…36,000円(39,500円が36,000円に減税)
・環境性能割(自動車取得税廃止)…64,900円(取得価格の0~3%になる)
・自動車重量税…36,900円(エコカー減税適用外)
・消費税…約36万(車両本体価格は約361万の10%)
・税金合計…約49.7万
消費税まで加味すると2%の増税が大きくなり、結果としてWRX STIも同様に数万程度は高くなってしまいます。車体価格、エンジン排気量、燃費違いもありますが、アクトWRX STIではこれほど、税金が変わります。
まとめ
10月から自動車の税制仕組みが変わり、自動車税が引き下げられ、自動車取得税が廃止、そして環境性能割が導入されます。実際には、エコカー減税があるので、ハイブリッドカーを新車購入すると、あまり実感できないかも知れません。
しかし、ハイブリッドカーとそれ以外のガソリン車などあまり燃費が良くない車の見積もりを比較すると、ぞの減税額の差に驚くと思います。
今後、新車購入を希望して、減税の恩恵を受けたいなら、燃費が優れ環境に配慮したハイブリッドカーを選択するのが賢い方法となります。
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